RazerのノートPC「Blade 14」が2021年のベストバイ(山根博士)
スマートフォンを日夜追いかけている筆者ですが、2021年のベストバイはと聞かれるとスマートフォンならばGalaxy Z Fold3 5Gと即答します。ペンが使える7.6インチの小型タブレットを折りたたむことでいつでもどこにでも手軽に持ち運べるGalaxy Z Fold3 5Gは、特に仕事上での最強ツールとして手放せない1台になっています。
しかし筆者が購入したあらゆる製品の中で今年のベストバイと言えるのはノートPC。Razerの「Blade 14」です。
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10年以上のThinkPadユーザーだった筆者がRazerの魅力に気づき、初めてRazerのノートPCを買ったのは2018年7月のこと。当時は1年中海外出張をしていることもあり、ノートPCは薄くて軽いものをということで、Razerの中でも軽量の「Blade Stealth 13」を購入して使っていました。
しかしバッテリーのふくらみ問題がありその後中古で1世代前のモデルを購入して使っていたものの、やがてPCのパフォーマンス不足に悩まされるようになりました。以前はあまりやっていなかった動画編集をやろうと思うと、モバイルノートではどうしてもパフォーマンスが足りません。またStealthシリーズのキーボードも長文の文字入力には向いておらず(そもそもその用途の製品ではありませんが)、外付けのIBMキーボードをつけて自宅では使っていました。
さすがに4年前のノートPCですからそろそろ買い替え時です。しかしRazerの13型モデルを買おうと思うにも、自宅作業が多くなった今ではパワーが心配です。またPCの天板にあるTHS(トリプルヘッドスネーク)が印刷となってしまって光りません。Razerといえば複数の製品間で同じライティングパターンを楽しめるRazer Synapseを搭載していますが、キーボードや周辺機器に合わせて背面ロゴも息をするように点滅してほしいもの。とはいえ2021年頭の時点ではより大きいモデルとなると15型の「Blade 15」は、持ち運びにはやや大きすぎます。
他のメーカーの製品に目を向ければ選択肢はいろいろあるのでしょうが、筆者の選択肢にはRazerしかないのです。これはもう好きになってしまった以上仕方ありません。でもどうしようか、久しぶりにThink Padに戻ろうかなんて思っていた時に発表されたのがBlade 14です。サイズはStealth 13より若干大い程度なので持ち運びもできそう。重量が約500g増えており、これは使い始めてから「ちょっと重いな」と思うようになりましたが、パフォーマンスの高さから気にはなっていません。
CPUはRyzen 9 5900HXを搭載。購入したのはGeForce RTX 3070モデルで、筆者の居住する香港では1万9299香港ドル、約28万3000円でした。筆者はゲームはしませんし、ノートPCのスペックも実はあまりよくわかってません。CPUのモデル名を聞いても、スマートフォンで言えば「Snapdragon 800番台と400番台とDimensity 1200の差がわからない」なんてレベルです。いやそれで今まで困っていなかったし、ノートPCをそもそもスペックで吟味して買ってこなかったのです。
そんな筆者でもBlade 14の評価が高いことは発表直後から耳に入ってきていました。価格は高いですが、3年間使うなら年間10万円相当(高価な製品を買うときの筆者の考え方)。Razer自ら「世界最強の 14 インチ ゲーミングノート PC」と言っているんだから間違いない製品でしょう。とはいえノートPCに30万円はなかなか出せず、発売からなかなか手が出せないままでした。そうこうしているうちに8月には日本からLeitz Phone 1を取り寄せてしまいました。スマートフォンに20万円なら出せてしまうのが筆者の困ったところです(ただし2か月間かなり苦労してお金を貯めましたが)。
筆者は購入したスマートフォンは使い終わっても売却せずコレクションにするのですが、このLeitz Phone 1だけはどうしても自分の使い方に合わず、コレクションとしてキープしておきたかったものの、香港のスマートフォンショップで「日本からの輸入品の引き合いが多くて中古も買い取り値が高い」なんて話をきいていました。Leitz Phone 1を売ればBlade 14の半額くらいになるかも、なんて思いだしたら止まりません。結局Leitz Phone 1を売却して、クレジットカードの併用でBlade 14を11月に購入したのでした。
Blade 14のパフォーマンスは噂通りと言いますか、動画編集を行っていても全くストレスを感じません。ディスプレイが13型より広いのもいいところ。唯一の欠点はタッチパネルではなくなったことで、ちょっとした操作をするときにマウス操作をするのはやや面倒。まあ全体の性能の高さからすれば些細なことで、気にはなりません。
一方キーボードはストロークが深く、1.2ー1.3mm程度あるように思います。十分タッチタイピングが可能であり、Stealt 13時代に使っていた外付けキーボード不要で長文の原稿も書けます。ゲーミングPCながらもテキスト入力が快適というのは思ってもいなかったことでした。
一方ハイパフォーマンスなだけにACアダプタも大型化。スマートフォン2台分以上の厚みがあります。充電端子の形状も特殊です。さすがにこれを日常的に持ち運ぶのは現実的ではありませんね。Blade 14はPD対応なのでUSB充電器を使うことができます。本体左右のUSB Type-C端子、どちらを使っても充電できます。
ただし対応するPDの入力は90W。手持ちのUSB充電器やモバイルバッテリーは最大でも65Wのものばかり。ということでそれらも100W対応のものに買い替えなくてはならないという出費はありました。まあ数年後を考えれば高出力タイプを買っておくのも悪くはないでしょう。
さてBlade 14の購入に際し、外付けのストレージとしてSSDを常用するようにしました。今までは動画や写真はノートPC本体に保存し、たまに外付けHDDにバックアップを取っていました。これをより頻度高くSSDにバックアップもとっておくことにしたのです。SSDはおなじみサムスンのもの。短いUSBケーブルは付属しますが、L字のアダプタを買って直付けすることにしてみました。
かなり危うい形状になるので、カフェの狭いテーブルの上など限定されたときにしかこの形では使っていません。まあL字で「A-C」の形状のアダプタあるといいのですが規格でNGでしょうか。
最後にRazer Synapseはゲームに合わせて光らせなくとも、気分を高揚させる用途にも効果があります。筆者は原稿が進まないときは派手に光らせたりしています。
そして背面のTHSロゴを光らせて一人悦に入る。Razer Blade 14は今年のベストバイ、いやここ数年のベストバイと言えるかもしれません。
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