2021年の年末商戦ではなにが起こっているのか?Windows 11は10%台、Chromeは1桁台。価格転嫁の動きも

国内PC市場は今年一番の落ち込みに

 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が、12月21日に発表したの国内PC出荷統計によると、2021年11月の出荷台数は前年同月比56.9%減の50万9,000台と、今年一番の落ち込みになった。

2021年の年末商戦ではなにが起こっているのか?Windows 11は10%台、Chromeは1桁台。価格転嫁の動きも

 これで8カ月連続での前年割れだが、その落ち込み幅がますます大きくなっている。

 とくに落ち込みが激しいのがノートPC。前年同月比61.5%減の40万9,000台と、4割にまで縮小。モバイルノートに至っては、78.9%減と約2割の水準にまで落ち込んだ。

 理由は明白だ。前年同期に導入が本格化していたGIGAスクール構想の反動である。小中学校の生徒1人1台にデバイス環境を整備する同構想では、モバイルノートに該当する仕様が機種選定の前提となっており、その分がごっそり抜けたことが理由である。

 また、GIGAスクール構想の影響がない2019年11月と比較しても、今年は33.5%減と3分の2の水準に留まっている。一昨年(2019年)は2020年1月のWindows 7のサポート終了前という需要があったことで市場は盛り上がりを見せていたが、今年はWindows 11が10月から正式にリリースされるというプラス効果がある。だが、結果としては、サポート終了前の買い替え需要を、新たなOSの登場では埋めきれなかったとも言える。

PC平均単価推移(BCN調べ)

 ちなみに、モバイルノートの平均単価は、GIGAスクール構想の1台4万5,000円という予算にあわせて、2020年11月は4万4,222円となっていたが、その影響がなくなった2021年11月は10万7,299円にまで一気に上昇している。

 JEITAの統計の中で、もう1つ捉えておきたいのが、デスクトップPCが前年同月比1.3%増とプラスになっていることだ。内訳をみると、オールインワンPCは34.5%減と大きく減少しているのに対して、デスクトップPC単体は16.9%増と2桁成長している。さらに単体の出荷金額は87%増と大幅な伸びになっている。これは平均単価が大きく上昇していることを示している。オフィスや在宅勤務において、性能が高いデスクトップ単体を購入するといった動きがみられているようだ。