明日からテレワーク! 最低限チェックしたいNAS&ルーター安心・便利設定
NAS編 第2回
NASをテレワークで活用する前に、少し、NASのリモートアクセス機能をおさらいしておきましょう。
「明日からテレワーク! 最低限チェックしたいNAS安心・便利設定」一覧
NASには、本体に保存されているデータを社外からも参照できるようにする機能が、いくつか搭載されています。機種によって違いはありますが、実際にNASをテレワークに活用する場合は、そうした機能のうち、どれを有効にするかを確認する必要があります。それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
NASのリモートアクセス機能
1.Dynamic DNS+ポートフォワード
もっとも基本的で、伝統的な方法です。NASには、ウェブブラウザー経由でアクセスできるデスクトップライクな管理画面があり、そこからWindowsエクスプローラーのような、ファイルを参照するためのアプリが起動できます。
この機能を外出先から利用できるようにするには、ウェブブラウザーの管理画面、もしくはファイル参照用アプリの利用に対し、外出先からのアクセスを許可するように設定します。
QNAPのNASのDynamic DNSの画面NASで利用するポートをルーターのポートフォワードで指定する![複数あるNASのリモートアクセス機能1 複数あるNASのリモートアクセス機能1](https://website-google-hk.oss-cn-hongkong.aliyuncs.com/drawing/article_results_9/2022/3/10/8056f122687fa31a761e972bb7d4423b_1.jpeg)
具体的には、NASのDynamic DNS機能を利用して、オフィスのインターネット接続回線に割り当てられているグローバルIPアドレスに「shimiz453a.myqnapcloud.com」などのアドレスを割り当て、さらにルーターのポートフォワード機能を使って管理画面にアクセスするためのポート(QNAPの場合は8080や443)を、NASに割り当てられているローカルIPアドレスに対して転送します。
この方法のメリットは次の通りです。
しかし、次のようなデメリットがあります。
2.中間サーバーを経由する接続
NASメーカーがクラウド上に提供している中間サーバーを経由して、NASへアクセスする方法です。
1の伝統的な方法では、ルーターのポートフォワードの設定が課題になったり、回線の種類によって接続できない場合があります。この方法は、それを回避するために実装されるようになったものです。名称はNASのメーカーによって異なりますが、QNAPのNASであれば、「myQNAPcloud Link」という機能です。
QNAPのNASに搭載されているCloudLink機能。中間サーバーを経由することで、NAT越えや名前解決をユーザー側で設定せずに済む NASをメーカーが提供する中間サーバーに登録することで、「自宅→中間サーバー→NAS」という経路でリンクを確立します。リンク確立後は、回線の種類や環境を自動的に判断し、NASとの間で直接データがやり取りされる場合もあれば、中間サーバーを経由したままデータがやり取りされる場合もあります。
この方法は、NAT越えの技術やIPv6を活用するなど、環境に合わせてさまざまな方法が自動的に適用されるのが特徴です。
この方法のメリットは次の通りです。
しかし、次のようなデメリットがあります。
残り2つの方法は、次回紹介します。
清水 理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できる Windows 10 活用編」ほか多数の著書がある。